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懐かしの映画館

七年目の浮気



懐かしの名作劇場  (第6回)

七年目の浮気
The Seven Yearitch
Marilyn Monroe

七年目の浮気


七年目の浮気
1950年代のハリウッドに彗星の如く現れ、
またたく間に世界中の男性を魅了していった
マリリン・モンロー・・・
今回は、彼女の大ヒット作であり、その魅力を最も
的確に表現した映画「七年目の浮気」をお送りします。

この作品は、ジョージ・アクセルロッド原作による
ブロードウェイのヒット舞台の映画化で、
地下鉄通風口の風でマリリンのスカートが
吹きあげられるシーンはあまりにも有名ですが、
ストーリーの合間を縫って画面に現れる主人公の
妄想シーンも映画ならではのおかしさ、おもしろさを
奏でています。

また、主人公を悩ませるマリリンもピッタリの適役で、
名匠ビリー・ワイルダー監督が絶好調の演出ぶりを
見せたコメディ。ウィットに富んだ傑作です。





七年目の浮気
七年目の浮気

製作年度 1955年
製作国 アメリカ
上映時間 104分

監督 ビリー・ワイルダー
製作 チャールズ・K・フェルドマン 
原作 ジョージ・アクセルロッド
脚本 ビリー・ワイルダー
ジョージ・アクセルロッド
撮影 ミルトン・クラスナー 
音楽 アルフレッド・ニューマン

出演 マリリン・モンロー
トム・イーウェル
イヴリン・キース
ソニー・タフツ
ロバート・ストラウス




七年目の浮気---物語---

ニューヨークの暑い夏。妻子を避暑地に送り出し、気楽なひとり暮らしにワクワクしている編集者のリチャード(トム・イーウェル)は、アパートの2階の窓から誤って植木鉢を落としてきたキュートなブロンド娘(マリリン・モンロー)と初めて口をきき、さっそく部屋へ招待しましたが、快くやってきた彼女の解放的な態度に年甲斐もなくうろたえ興奮して、不器用にキスしようとしたとたん、抱き合ったまま転倒してしまいます。

七年目の浮気すっかり意気沮喪してその夜は彼女を帰しましたが、翌日ある心理学の論文を読んで、「どんな男でも結婚7年目になると浮気がしたくなるものだ」という言葉に勇気づけられ、再びブロンド娘を誘って街へ出かけました
「ここなら涼しいわよ」と地下鉄の排気口の上に立つ彼女のスカートを、列車が通過するときの突風が勢い良くまくり上げるのもいい眺めで、しかも彼女はリチャードの部屋に戻ると、冷房のあるこの部屋で寝たいと言いだしました。
絶好のチャンス!と思ってみたもののそれ以上の勇気はなく、彼女を自分のベットに寝かせると、自分は居間のソファで夜を明かすリチャード・・・翌朝ついにたまらず彼は休暇を取って妻子のもとへ急ぐのでした。


七年目の浮気




マリリン・モンロー

生年月日 1926年6月1日  出身地 アメリカ/カリフォルニア州ロサンジェルス

七年目の浮気本名はNorma Jean Baker。私生児として生まれ、母親が精神病院への入退院を繰り返していた為、里親や孤児院を転々とする暗い子供時代を過ごしたマリリンは、16歳の時に工員ジム・ドハティーと結婚しますがわずか4年で離婚・・・。その頃から、男性雑誌のモデルなどをして生計を立て、46年にFOXと契約を結んで47年に“Dangerous Years”の端役で映画デビューを果たします。しばらくは売れない時期が続きますが、52年「ノックは無用」で初主演して注目をされるようになり、以後、「ナイアガラ」、「紳士は金髪が好き」などで人気を不動の物とします。私生活では、故ケネディ大統領などとのスキャンダルもあり、結婚は工員と、野球選手のジョー・ディマジオ、劇作家のアーサー・ミラーとの3回で、その全てが離婚に終わっています。そしてディマジオとよりを戻しつつあった62年8月5日午前3時50分、ロサンジェルスの自宅で、睡眠薬の多量摂取により死亡しているのが発見されました。その後、自殺説などの噂が流れましたが原因はいまだ不明で、撮影中だった新作「女房は生きていた」は製作中止となりました。“セックス・シンボル”の代名詞とも言われ、世の男性陣を魅了し続けた彼女も内面的にはかなり複雑なものがあり、その経緯を題材にした「ノーマ・ジーンとマリリン」が後に製作されています。



七年目の浮気
1953年公開の彼女の代表作「ナイアガラ」あたりから、彼女の「モンロー・ウォーク」が話題になり始めました。しかし、お尻を揺らす彼女独特のあの歩き方にも、しっかりとした彼女の計算があったようで、彼女はその歩き方のために片方の靴のヒールを4分の1インチ短くし、わざとバランスを崩していたのです。彼女のセクシーさの影には、したたか計算があったのでした。



七年目の浮気初めての西部劇「帰らざる河」を撮り終えたあと、12歳年上の
元ニューヨーク・ヤンキースのジョージ・ディマジオと2度目の
結婚をしたマリリンは、彼をパパと呼んで、父親に甘えるような
アツアツぶりを見せました。
けれど、昔かたぎのディマジオは、結婚したら女は家にいて夫に
仕えるものという考えが捨てられず、マリリンに女優を引退する
よう頼みますが、人気が上り調子のマリリンにそんな気は毛頭
ありませんでした。
そんな折、「七年目の浮気」のニューヨークロケが行われ、
2000人もの見物人の前で地下鉄の排気口からの突風にスカートを
まくり上げられるシーンを、撮り直しもいとわずに何度も演じて
のけたマリリンは、ディマジオの怒りをふるえ上がらせ、
その夜の2人の激突は、ホテルの部屋から聞こえた彼の怒声と
彼女の悲鳴になって現れたそうで、それから2週間後、マリリンの
側から離婚申請が裁判所に提出され、わずか8ヶ月で夫婦の仲は
終わりました。



マリリン・モンロー 出演作品
1949ラヴ・ハッピー
1950アスファルト・ジャングル
イヴの総て
彼女は二挺拳銃
1952ノックは無用
モンキー・ビジネス
1953紳士は金髪がお好き
人生模様
ナイアガラ
百万長者と結婚する方法
1954帰らざる河
ショウほど素敵な商売はない
1955七年目の浮気
1956バス停留所
1957王子と踊子
1959お熱いのがお好き
1960恋をしましょう
1961荒馬と女
1994モンタン、パリに抱かれた男
マリリン・モンロー:ライフ・アフター・デス
2001マリリン・モンロー ファイナル・デイズ



七年目の浮気


マリリン・モンローというと豪華できらびやかなイメージを想像しますが、実際には暗い幼年期からチョイ役ばかりの下積み生活が続き、ようやくスターの座をつかんだ後も、演技に対する恐怖症から睡眠薬などを多用し、わずか36歳という若さでこの世を去ってしまいました。
マリリンの、ちょっと舌足らずなしゃべり方は、物ごころついて以来ずっと愛情や温かい保護に飢えていた彼女が幼児っぽく振る舞うことで愛情を得ようと身につけた、生きていくうえでのテクニックだったかもしれませんね。



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